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2017年02月22日 Vol.249

art

聖アドルフの脳内宇宙展

最近は閉幕間際の展覧会紹介が多くて申し訳ないが、今週末(2月26日)まで『アドルフ・ヴェルフリ 二萬五千頁の王国』展が兵庫県立美術館で開催中だ。ただし、本展はこのあと名古屋市美術館、東京駅ステーションギャラリーと巡回するので、神戸展に間に合わないかたはぜひ、名古屋か東京でご覧いただきたい。名古屋展では僕もトークさせていただく予定になっている。アール・ブリュット/アウトサイダー・アートの先駆的存在として、アドルフ・ヴェルフリはもっとも有名な作家のひとり。本メルマガでも2015年3月4日配信号で、滋賀県近江八幡での展覧会を紹介したが、それほど重要な作家であるにもかかわらず、今回の展覧会がヴェルフリの大規模な個展としては、日本で初めてとなる。

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fashion

「べっぴん」と「別品」――ファッション都市神戸展によせて

今年は神戸開港150周年だそう。1868年(慶応4年、明治元年)1月1日正午に開港した神戸港を記念して、いま神戸ではさまざまな催しを実施中。本メルマガではおなじみの神戸ファッション美術館でも、『ファッション都市神戸――輝かしき国際港と地場産業の変遷』という、タイトルは硬めだが、そこはファッション美術館らしいヒネリの利いた展覧会を開催中だ。「神戸洋服」や「神戸靴」という言葉があるように、日本の洋服産業の発展は神戸という土地を抜きにして考えられない。横浜とも、銀座ともちがう神戸ならではのファッション・センスがかつて、たしかにあった(もしかしたら現在も)。今回の展覧会では開港時、鹿鳴館から、バブル前夜のDCブランドまで、それぞれの時代を飾った洋服を、一部当時のマネキンと組み合わせて見せるという凝った展示スタイルである。

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travel

Back in the ROADSIDE USA 24 KKK Museum & Redneck Shop, Laurens, SC

先週はオハイオ州ウィルバーフォースのアフロ・アメリカン・ミュージアムを紹介したが、今週はサウスカロライナ州ローレンスという小さな町にある『クー・クルックス・クラン・ミュージアム&レッドネック・ショップ』。クー・クルックス・クラン・ミュージアム=KKKについては説明の必要がないだろうが、レッドネックとは南部の強い日差しの下、農場などで働く白人の赤く日焼けした首筋、という意味でつけられた、保守的な白人貧困層を指す言葉。ようするに人種差別の象徴でもあるKKKとレッドネックをあわせたミュージアム兼ショップで、ロードサイドUSAの取材にあたっていろいろ調べていたときに探し当て、でもいちおう21世紀のアメリカでそんなの存在できるんだろうかと半信半疑で行ってみたら、ほんとに営業中でびっくりした覚えがある。

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art

アウトサイダー・キュレーター日記 25 武装ラブライバー(写真・文:櫛野展正)

数年前からTwitterで目にするようになって、ずっと気になっていた。その姿は、画面の中で見るたびに進化し続け、どこか異国の民族衣装やRPGゲームのラスボスのようにも見えるし、そのファサード感は絢爛豪華な祭りの山車のようでもある。これは『ラブライブ! School idol project』のグッズを身にまとった男性の姿だ。2010年にゲーム雑誌の読者参加企画として始まった『ラブライブ!』は、9人の女子高生で構成されるスクールアイドルグループが学校統廃合の危機を救うために全国大会優勝を目指す物語で、メディアミックス作品として社会現象を巻き起こしている。そのファンは、「ラブライバー」と呼ばれており、中でも「武装」と称される好きなキャラのグッズで全身を囲った人たちは全体の1割ほど存在する。

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2017年02月15日 Vol.248

art

エレクトロメカノマニアック――パリのジルベール・ペール展

もうこのメルマガではおなじみの、パリのアウトサイダー・アート専門美術館アレサンピエールで、ジルベール・ペール展が開催中だ。2015年10月21日配信号で、この不思議なアーティストのアトリエ訪問記『機械仕掛けの見世物小屋』を掲載したが、今回は満を持しての大規模個展。サブタイトルを「L'ÉLECTROMÉCANOMANIAQUE」=エレクトロ+メカ+マニアックと題したこの展覧会は、アレサンピエールの広い2フロアをまるごと使った、ペールの集大成ともいえるコレクション。当初は去年9月から今年2月までの予定だったが、好評につき4月23日まで延長が決まっている。トレンディな現代美術でもなければ、ノスタルジックな古典美術でもない。機械仕掛けの楽しさと、見世物小屋のブラックユーモアが渾然一体となって、しかし総体として「アート」としか表現しようのない、素晴らしくチャーミングな体験空間になっている。

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lifestyle

快楽の先のどこか

某日、品川のシティホテル、ツインルーム。ベッドの上で全裸の女が、ときに声をあげながらからだをくねらせる。そこにヒゲ面、サングラス、短パン姿の初老男性がのしかかり、局部に指を這わせ、ヒゲで乳首をこすり、手の甲に生えた毛まで使って「マッサージ」を続けている。こちらは隣のベッドに座って見ているだけ。さっきから1時間あまりも続いていたセッションは、女が何度目か全身を突っ張らせてからだを震わせたあと、「じゃあここらでひと休みしましょうか」という声で、仕切り直しになった。男の名は玄斎(げんさい)。ふだんは鍼灸マッサージの店を都内で開業しながら、それとは別に「回氣堂玄斎」という名で、性の喜びによって心身の変調や歪みを治癒する「快楽術(けらくじゅつ)」を実践して、もう30年以上というマスター・セラピストなのだ。

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design

絶滅サイト 13「シャチハタに認められたい名字」~「モスクワ1990」(文:ハマザキカク)

意外にメジャーな名字も登録されていない『シャチハタに認められたい名字』(2000年~2016年 運営期間16年 絶滅期間1年)/ギャグサイトではないのになんとなくギャグに感じられる。シャチハタとは実は会社名で、朱肉が一緒に付いているハンコの事。既製品で買える名字は2100氏名で、それ以外は特注する必要がある。冒頭には登録されている2100名字が掲載されているが、その下には「メジャーな名字なのに」というコーナーで、意外と取り扱われていない名字が羅列されている。驚いたのが「荻野」「中嶋」「矢部」「高梨」「茂木」「皆川」などがないという事。しかもこれらは名字の多さランキング「名字博士」で1位~500位に入っているとの事である。そう考えると多い順から2100位まで作ればいいのではないかと思うのだが、駄目なのだろうか。「シャチハタに加えて欲しいランキング」というのもあり、クリックしてみたのだが何と文字化け(文字コードを調整すれば見られるのかもしれないが)。ある地方にだけ多い名字というのもあり、2100種全部置いてない店舗では無料で取り寄せられる様だ。

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travel

Back in the ROADSIDE USA 23 The National Afro-American Museum and Cultural Center, Wilberforce, OH

いちおう人種差別というものはなくなっているはずのアメリカで、このところの警察と黒人との衝突に見られるような、そしてトランプ大統領が火に油を注いでいるような、隠されてきた人種差別の根深さに驚いたひとも多いのではないだろうか。オハイオ周南西部の小さな町ウィルバーフォースは、アメリカの奴隷解放史に重要な位置を占める場所で、1856年にはすでにウィルバーフォース大学という、プロテスタント系の黒人教育のための大学が開校している。コールマン・ホーキンス、ベン・ウェブスター、べニー・カーターなど、幾多のジャズ・ミュージシャンを生んでいることでも有名だが、構内に誕生したアフロ・アメリカン・ミュージアムは、奴隷貿易時代から現在にいたるアメリカ黒人の歴史を俯瞰できる、珍しい展示研究機関である。

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2017年02月08日 Vol.247

travel

ベラミの記憶

「黒いダイヤ」と呼ばれた石炭景気のおかげで、明治初期にはひなびた漁村にすぎなかった若松が、ゴールドラッシュならぬコールラッシュ状態で大繁栄したのも今は昔。昭和30年代に入ってエネルギーが石炭から石油中心にシフトするにつれて、若松も徐々にさびれていって、いまではかなり寂しい景色になってしまった。かつては映画館や芝居小屋がたくさん並んで、九州地方屈指の賑やかな繁華街だったと言われても、なかなか想像しにくい。「若松バンド」と呼ばれる海岸沿いに並ぶ大正建築群から、わずかに当時の繁栄ぶりをしのぶばかりである。『ベラミ』というグランドキャバレーが若松にあった、と聞いたのは去年、福岡で『僕的九州遺産』展を開いたときだった。オープニングに来てくれたお客さんから、「ベラミ山荘、もう行きました?」と聞かれて、知らないと言ったら「ええーっ」と驚かれた。キャバレーのベラミはもうとっくになくなったけれど、当時の従業員寮だった不思議な建物が残っていて、そこを買い取ったひとが「ベラミ山荘」と名づけて公開しているという。「知らないなんて・・・」と呆れられて悔しがっていたら、展覧会の関連企画で開催したバスツアーのなかに、気を利かせたスタッフたちがサプライズとしてベラミ山荘も入れてくれていた。

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photography

『NOZOMI』増田貴大写真集、発売!

去年11月9日号で特集した「新幹線車窓写真家」増田貴大の初作品集が、めでたく発売になった。『NOZOMI』・・・いいタイトルだなあ。『時速250キロの車窓から』と題した記事を読んでくれたかたはおわかりだろうが、増田さんは検査用の血液検体を運ぶという珍しい仕事で、新大阪と広島のあいだを毎日2往復しながら、乗車中ずっとデッキに立って、窓に貼りついて景色を撮影している。それだけでは生活が成り立たないので、「午前中、あべのハルカスで医療フロアへの案内看板持ちもやってるんです。朝9時から12時までハルカスで、そこから急いで新大阪に移動して、新幹線に乗って。家に帰れるのは夜11時ごろになっちゃうので、車窓写真しか撮れないです」。

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travel

Back in the ROADSIDE USA 22 The Orange Show, Flower Man and Art Car museum, Houston, TX

先週に続いてテキサスの、こんどは屈指の大都市ヒューストンから3つのアウトサイダー・アート・スポットをまとめてお送りする。テキサス州最大、全米でも4番目の規模を誇るメガシティであり、アメリカ南部の中枢として、多くの巨大企業が本社を置く。スポーツ、アートでも有名だし、NASAがあることでも知られ・・・というふうに、いくらでもメジャーな特徴を挙げていくことはできるのだが、いっぽうでまたアウトサイダー・アートや珍スポットにおいても全米屈指の充実ぶりという点は、あまり知られていない。今週はアメリカ版「郵便配達夫シュヴァルの理想宮」と言うベき『オレンジ・ショー』を中心に、もうひとつのヒューストンの魅力をお伝えしたい。

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BOOKS

ROADSIDE LIBRARY vol.002
LOVE HOTEL(PDFフォーマット)

――ラブホの夢は夜ひらく

新風営法などでいま絶滅の危機に瀕しつつある、遊びごころあふれるラブホテルのインテリアを探し歩き、関東・関西エリア全28軒で撮影した73室! これは「エロの昭和スタイル」だ。もはや存在しないホテル、部屋も数多く収められた貴重なデザイン遺産資料。『秘宝館』と同じく、書籍版よりも大幅にカット数を増やし、オリジナルのフィルム版をデジタル・リマスターした高解像度データで、ディテールの拡大もお楽しみください。
円形ベッド、鏡張りの壁や天井、虹色のシャギー・カーペット・・・日本人の血と吐息を桃色に染めあげる、禁断のインテリアデザイン・エレメントのほとんどすべてが、ここにある!

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ROADSIDE LIBRARY vol.001
秘宝館(PDFフォーマット)

――秘宝よ永遠に

1993年から2015年まで、20年間以上にわたって取材してきた秘宝館。北海道から九州嬉野まで11館の写真を網羅し、書籍版では未収録のカットを大幅に加えた全777ページ、オールカラーの巨大画像資料集。
すべてのカットが拡大に耐えられるよう、777ページページで全1.8ギガのメガ・サイズ電書! 通常の電子書籍よりもはるかに高解像度のデータで、気になるディテールもクローズアップ可能です。
1990年代の撮影はフィルムだったため、今回は掲載するすべてのカットをスキャンし直した「オリジナルからのデジタル・リマスター」。これより詳しい秘宝館の本は存在しません!

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圏外編集者

編集に「術」なんてない。
珍スポット、独居老人、地方発ヒップホップ、路傍の現代詩、カラオケスナック……。ほかのメディアとはまったく違う視点から、「なんだかわからないけど、気になってしょうがないもの」を追い続ける都築響一が、なぜ、どうやって取材し、本を作ってきたのか。人の忠告なんて聞かず、自分の好奇心だけで道なき道を歩んできた編集者の言葉。
多数決で負ける子たちが、「オトナ」になれないオトナたちが、周回遅れのトップランナーたちが、僕に本をつくらせる。
編集を入り口に、「新しいことをしたい」すべてのひとの心を撃つ一冊。

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ROADSIDE BOOKS
書評2006-2014

こころがかゆいときに読んでください
「書評2006-2014」というサブタイトルのとおり、これは僕にとって『だれも買わない本は、だれかが買わなきゃならないんだ』(2008年)に続く、2冊めの書評集。ほぼ80冊分の書評というか、リポートが収められていて、巻末にはこれまで出してきた自分の本の(編集を担当した作品集などは除く)、ごく短い解題もつけてみた。
このなかの1冊でも2冊でも、みなさんの「こころの奥のかゆみ」をスッとさせてくれたら本望である。

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独居老人スタイル

あえて独居老人でいること。それは老いていくこの国で生きのびるための、きわめて有効なスタイルかもしれない。16人の魅力的な独居老人たちを取材・紹介する。
たとえば20代の読者にとって、50年後の人生は想像しにくいかもしれないけれど、あるのかないのかわからない「老後」のために、いまやりたいことを我慢するほどバカらしいことはない――「年取った若者たち」から、そういうスピリットのカケラだけでも受け取ってもらえたら、なによりうれしい。

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ヒップホップの詩人たち

いちばん刺激的な音楽は路上に落ちている――。
咆哮する現代詩人の肖像。その音楽はストリートに生まれ、東京のメディアを遠く離れた場所から、先鋭的で豊かな世界を作り続けている。さあ出かけよう、日常を抜け出して、魂の叫びに耳を澄ませて――。パイオニアからアンダーグラウンド、気鋭の若手まで、ロングインタビュー&多数のリリックを収録。孤高の言葉を刻むラッパー15人のすべて。

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東京右半分

2012年、東京右傾化宣言!
この都市の、クリエイティブなパワー・バランスは、いま確実に東=右半分に移動しつつある。右曲がりの東京見聞録!
576ページ、図版点数1300点、取材箇所108ヶ所!

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東京スナック飲みある記
ママさんボトル入ります!

東京がひとつの宇宙だとすれば、スナック街はひとつの銀河系だ。
酒がこぼれ、歌が流れ、今夜もたくさんの人生がはじけるだろう、場末のミルキーウェイ。 東京23区に、23のスナック街を見つけて飲み歩く旅。 チドリ足でお付き合いください!

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