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2023年10月25日 Vol.570

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もうひとつのウズベキスタン 2  団地という小宇宙

先週はウズベキスタン紀行の初回としてタシケントに残る旧ソ連時代の建築を巡った。その最初にお見せしたホテル・ウズベキスタンがあるティムール広場を取り巻く一角にある、こちらも印象的な建築がウズベキスタン国立歴史博物館(STATE MUSEUM OF HISTORY OF UZBEKISTAN)。開館は1970年。イスラム風の幾何学装飾が全面に施され、モダンでありつつどこかエキゾチックなニュアンスが漂うデザインだ。

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三島喜美代 ― 遊ぶ 見つめる 創りだす

美濃焼の本拠地である多治見の丘陵地にあるセラミックパークMINO内に2002年にオープンしたのが岐阜県現代陶芸美術館。その名のとおり近現代の陶芸に焦点を絞った岐阜県立美術館だ。建築は磯崎新なので、華美というのとはちがうテイストだが、その環境、立地、空間構成など、すべてにものすごく贅沢なつくりのミュージアム。その広々とした展示室と屋外も使っていま「三島喜美代 ― 遊ぶ 見つめる 創りだす」が開催されている。

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地の橋、人の橋 ――イラン定住旅行記  05 「歴史は繰り返す」 | 写真・文:ERIKO(定住旅行家・モデル)

2022年12月から翌年の3月にかけて、ペルシャ語習得の目的で滞在したイランの首都テヘランは、1979年の革命以降、最も激しい反政府デモが続いていた。大学の授業もオンラインか、家庭教師のように先生がやってきてくれるスタイルだったので、自ら街などへ繰り出す機会もほとんどなかった。加えて滞在が始まってすぐの頃、在テヘラン日本大使館職員の女性がひったくりにあったという情報が入り、不用意に街中を歩かない方がいいというアドバイスも受けたりした。初めてこの地に来た2018年は、女性が夜道を一人で歩けるほど平和だったのに、昼夜街を行く現地の人の数すら少なく、なんとなく街全体が重たい雰囲気に包まれていた。

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暗黒絵日記 のり子の夢は夜ひらく  08 ジェットコースター (画・文:新開のり子)

公園での出来事です。 小学校がお休みの日に公園に行きました。 待ちに待ったお休みです。 夕方、人が居ないことを見計らって公園に行きます。 すると、公園のどこからか声がします。 「おいでーおいでー」 声の方に近づくと、滑り台の上から呼んでいます。 周りを見渡し、他の誰でもない私のことを呼んでいました。

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死刑囚表現展 2023

毎年定例のお知らせとなっている「死刑囚表現展」が今年も11月3日から5日までの3日間、東京・入船の松本治一郎記念館で開催される。 このメルマガで最初に死刑囚の絵画作品を紹介したのは、広島市カフェ・テアトロ・アピエルトで開催された小さな展示を取材した2012年10月17日配信号「死刑囚の絵展リポート」。それから何度も誌上で紹介する機会があり、2022年にはパリのアウトサイダー/ロウブロウ・アートに特化した美術館アル・サンピエールでの展示もお伝えできた。僕が出会ってからでも10年以上、いまだ美術メディアで正当な扱いを受けているとはまったく言いがたいが、手作り感あふれる展示会場は毎年たくさんのひとで賑わっている。

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妄想芸術劇場 17  ぷりりん

投稿の数こそ多くないが、「ぷりりん」の画面には不思議な魅力がある。漫画的でフラットな画面。ところが、スキャンされた画像では判別できないが、原画をよく見ると、そこに微妙な凹凸があることに気がつく。実は塗り込められた背景の上に、丹念に切り抜かれた主人公=全裸女性を貼り重ねて、ぷりりんの絵はつくられているのだ。

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2023年10月18日 Vol.569

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もうひとつのウズベキスタン 1

8月の終わりから9月にかけて2週間ほど、ウズベキスタンに行ってきた。初めての中央アジア旅行。ソウルに何度も通ううちに、東大門近くの光熈洞という通りにウズベキスタン料理店や商店、旅行会社が並んでいるのを知って、どうして?と思ったのがきっかけだった。 調べてみると日本とウズベキスタンのあいだにはウズベキスタン航空が成田と首都タシケントを結ぶ直行便を運行しているが、週に2便ほどしか飛んでいない。でもソウルとタシケントは大韓航空やアシアナが毎日便を出している。東京からなら羽田から仁川空港を経由してタシケントに向かうほうが簡単だし、運賃も安い。

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シブメグの人生小劇場 30  すき家で朝食を(パレスチナで起こっていることについて思う) (写真・文:シブヤメグミ)

深夜バスで大阪から新宿に帰ってきた、何年か前の早朝。 お腹すいちゃって、朝食を食べようと入った新宿駅南口のすき家。 こんな早朝なのに1階がなんだか混んでたので珍しく2階に上がったら、外国人ファミリーが楽しく賑わってた。上手く使えないお箸すら、アトラクションみたいにはしゃいでいる。 私は、いい東京の朝だなーなんて思いながらお味噌汁を飲んでた。 そしたら、 「エクスキューズミー、スピークイングリッシュ?」 と声をかけられた。 私の語学力を理解して頂きたいという思いを込めて、リトルならスピーク、バット、ブロークンイングリッシュオンリーですって答えたら、 「ソーグッ!ベリナイス!」 って言ってくれた。

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暗黒絵日記 のり子の夢は夜ひらく  07 お泊まり会 (画・文:新開のり子)

児童館のイベントでお泊まり会がありました。 家族と離れて一人で泊まったことがないのでとても不安でした。 児童クラブの子供達がたくさん集まり、夜になりました。 皆、お気に入りのパジャマに着替えます。 布団は、少しすきまをを空けて並べられています。 真ん中がとても人気があり 私は、端っこを取りました。なんだかとても落ち着きます。 横になって眠るまで羊を数えます。

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ニュー・シャッター・パラダイス 54  幸運を保つ不幸のバランス (写真・文:オカダキサラ)

今月、胃腸の精密検査を受けました。 ことあるごとに起こる腹痛の原因が何なのか、分かるかもしれない期待と、もしも病気だったら、という心配と不安を胸に施術に臨んだのですが、結果はまったくもって正常でした。 「とても綺麗な胃腸です」と医師が提示してくれた胃カメラの写真は、素人目で見ても異常が見当たりません。 胃腸痛の原因はまたもや謎に包まれてしまいましたが、問題ないに越したことはありません。 癌の心配も全くないと医師から太鼓判を押され、ひとまず安心しました。 すると急にお腹が空腹を強く訴えてきました。

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妄想芸術劇場 16 山本一夫

山本一夫はオムツ・マニアである。『おむつ倶楽部』のような専門誌ならともかく、『ニャン2』のようにノーマルな(?)エロ投稿誌では、稀少な投稿者だ。 山本一夫が一貫して描くのは、オムツを当てられた女性。それもバレリーナ、フィギュアスケーター、新体操選手、花嫁など、若く可憐な娘たちが、舞台で、スケートリンクで、結婚式場でと、ありえない空間でオムツ姿をさらし、おもらしを目撃されるというシチュエーションに、激しくこだわりつづけてきた。

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DOMMUNE スナック芸術丸・大竹伸朗回アーカイブ!

先日、富山県美術館で巡回を終えた大竹伸朗展。スナック芸術丸では出発点となった東京国立近代美術館での展示にあわせて、2022年11月12日に「大竹伸朗展・特番」をお送りしましたが、その録画アーカイブをロードサイダーズ・ウィークリー読者限定でいただいたので、さっそくお届けします。宇川くん、ありがとう! 後半の「DJ景」を含め、全5時間半以上を一気に公開! まあとにかく大竹くんのDJプレイを動画で観られるのもたぶんここだけだと思うので! たっぷりお楽しみください。 そしてDOMMUNEを率いる宇川くんはいま「D.O. & 練マザファッカーのお膝元」(本人談)練馬区立美術館で展覧会「宇川直宏展|FINAL MEDIA THERAPIST @DOMMUNE」を開催中。もうとっくに行ったし!というかたもいらっしゃるでしょう。

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2023年10月11日 Vol.568

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大道芸術館、1周年記念大増設報告!

先週末は3年ぶりになるロードサイダーズ・オフ会も開催できた向島・大道芸術館。昨年10月のオープンからちょうど1周年というタイミングで、先週は2日間かけて30点以上の作品を追加設置した。もともとかなりの圧縮展示だったが、日展やドンキホーテを見習って!とにかく空いてる壁面はすべて埋めたい!という決意で大量の作品を倉庫から持ち込み、設営スタッフたちのがんばりでそのすべてを展示することができた。 オフ会参加者のみなさまにはもうご覧いただけたが、今週は大道芸術館1周年で大幅増の(展示替えではなく!)作品展示空間にお連れしたい。これからリストをつくってプリント、開館時に制作した図録に付録として差し込む予定なので、機会があったらぜひ現場で見てほしいが、まずはこちらで予習していただけたら。

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シブメグの人生小劇場 29  仰げば尊し (写真・文:シブヤメグミ)

お元気ですか? 先生が亡くなって何年目なのかなあ。 「俺が死んだあと、命日をもうひとつの誕生日みたいにしないでくれよな」 ホスピスに初めてお見舞いに行った日の帰り際、そう言ってましたよね。 先生、笑顔だったけどすごくすごく真剣な声だった。 私、ゾッとしたんですよ。 でも、だからこそ、死んでから何年目かな?なんて一度も数えてないです。 中学校に入学した私のクラス、1年1組の担任。 それが出会いでした。

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スリープウォーキング・チャイナ 03  お盆フェスの聖と俗(前編)──施餓鬼から乳首ペロペロまで | 写真・文:無常くん(副書記)

本連載でもたびたび自己紹介してきた通り、わたしは中国の民間信仰を研究する(素人)民俗学者です。一口に民間信仰といっても様々ですが、特にわたしが関心を寄せるのは、「お化け」に関連する(陽に対する)陰の信仰。そんなゲゲゲな性癖をもつ私にとって、旧暦7月は一年の中でも特別な月となります。 台湾ファンの方などはよくご存じかもしれませんが、中華圏の暦(こよみ)において旧暦7月は俗に「鬼月(きげつ)」と呼ばれ、お化け(=餓鬼)が街中に跋扈するたいへん怖ろしい月と考えられています。

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暗黒絵日記 のり子の夢は夜ひらく  06 不良グループ (画・文:新開のり子)

児童館にまだ通っていた小学校低学年の頃、児童館の中にある体育室で遊んでいた時のことです。 今まで、そういうタイプの人達を見た事がありません。 児童館の体育室は、安全なところでした。 そこで遊んでいると、「どけーどけー」 と急に遊び場に割り込み、耳を塞ぐくらいの大きな声を出した3人組が現れました。 テレビで見る極悪レスラーそのものです。

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妄想ホテル room:031  『私をどエロく撮ってください』 人妻からの依頼で思いがけずエロの原点に立ち戻った話 (写真・文:フクサコアヤコ)

ある日いつものようにSNSを通じて撮影依頼のメッセージが届いた。 北関東在住の人妻からだった。顔出し、乳首、ヘアもOK、撮影していただけるならば有休をとって都内へ赴きますとのこと。話が早い、もちろん喜んで快諾した。 詳細を確認しつつ、どのような撮影をご希望ですか?と聞いたところ、「どエロく撮ってほしいんです」と言う。 「どエロく…ですか?」「はい、どエロく」。こうして「人妻どエロ撮影」が決まった。

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編み物☆堀ノ内の「帰ってきた肖像編み物」 第2回 オトン  オーダーした人/マ.マカロン(刺繍家) (写真:久富健太郎 / 聞き書き:川上雅乃)

マ.マカロンさんのことを知ったのは2018年頃。福岡で美容院を経営していた上野広子さんが何かのときに、「ウチの近所にすっごく素敵な刺繍家さんがいるんですよ~」と教えてくれました。その後、広子さんが主催してくれた編み物の受注会で、初めてマ.マカロンさんにお会いしました。マ.マカロンさんの第一印象は、明るくおおらか、それから話が早いひと。ずっと仕事を頑張ってきた女の人がもっているさばけた感じと貫禄があり、マ.マカロンさんが刺す刺繍の繊細で陰影のある作風と人柄とのギャップが意外(とても良い意味で!)でした。2011年に44歳で亡くなったというだんなさんが20歳のときの肖像を編みました。

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妄想芸術劇場 15 セーラーマン

1990年から92年あたりのニャン2初期に、独特なタッチの投稿を繰りかえしていたイラスト職人のひとりが「セーラーマン」である。 一見しておわかりのようにセーラーマンの画風には当時、そして現在でも主流を占める漫画ふうのタッチとは正反対の、正統的なデッサンを思わせる描線や、「挿画」と呼びたい古風な雅味が認められる。フラットな画面、どろどろな陵辱シーンとは無縁のユーモアあふれたモチーフ。そして特に単純な背景の前でポーズを取る全裸女性たちに見られる、ただただ描くことの純粋な悦び。

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2023年10月04日 Vol.567

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白木谷国際現代美術館を訪ねて

8月に高知・四万十の「太陽の眼」でトークがあった翌日、どこかに寄っていきたいな~と考えたときに思い出したのが「白木谷国際現代美術館」だった。前に太陽の眼の店主さんから「ここ、オススメですよ!」と教えてもらっていて、うまく日程が合わずに行けなかった白木谷国際現代美術館。そうとうの現代美術ファンでも「そんなとこあったっけ?」と初耳のひとが多いだろうが、その名のとおり高知市中心部からクルマで30分ほど(南国市の後免駅からなら20分足らず)、おとなり南国市の山中・白木谷にある私設の個人美術館である。

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暗黒絵日記 のり子の夢は夜ひらく  05 ローラーホッケー (画・文:新開のり子)

小学校低学年の頃、ローラースケートが流行っていました。 私は、小学校が終わるとせっせと30分かけて児童館に向かいます。向かう途中、大きい犬に話しかけて通り過ぎます。毛並みが荒く、餌のお皿がいつも空っぽです。 もう食べてしまったのか、待っているところなのか。 「可哀想だね。お腹空いたね。飼い主の人に言おうか? でも児童館に行くからまたね!」通る度に声をかけ、足早に通り過ぎます。

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BORO、世界をめぐる 06  スウェーデン(ストックホルム&ヴァーナム)編 (写真・文:辰巳清)

2019年から20年にかけて5回にわたって掲載されたBOROコレクションの海外巡回展報告。コロナ禍を挟んで3年ぶりに、スウェーデンでの展示リポートが辰巳清さんから届いたので、さっそくご覧ください! *BOROのワールドツアーの過去記事はこちら: 2019/11/06号 東京編(アミューズミュージアム開館から閉館まで) 2019/11/13号 オーストラリア編(シドニー、メルボルン、キャンベラ) 2020/03/04号 中国北京編 2020/04/22号 中国深圳編 2020/05/20号 米国ニューヨーク編 ROADSIDERS’weekly2020/05/20号のBORO米国ニューヨーク編に続けて、スウェーデンのストックホルムとヴァーナムでの展覧会をレポートさせていただく。

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ニュー・シャッター・パラダイス 53  のんびりや、時代に追い立てられる (写真・文:オカダキサラ)

思った以上に自分がのんびり屋だと自覚したのは、つい最近のことです。 というのも、目の前のことが気になると、足もしくは手、または目を、つい止めてしまうのです。立ち止まる時間が数秒であっても、積み重なれば大きなタイムロスになります。 ハッとした時には時間はギリギリに迫っており、慌ててダッシュするはめに…。 急いだ呼吸の苦しさと、焦りや緊張の記憶が強すぎて、「私は常に追い立てられている」と勘違いしていたのです。 なんという自己中心的な捉え方…。

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ROADSIDE CHINA  中国珍奇遊園地紀行 34 天津市後編 (写真・文:関上武司)

大家好(中国語で皆さん、こんにちは!)。2023年8月には新型コロナに疾患し、こちらの原稿執筆中も後遺症なのか喉に痛みを感じます。今回は天津市後編ということで、2017年と2019年の天津取材について、レポートします! 2017年5月7日。この日は内モンゴル自治区フフホト市の遊園地の撮影を完了し、空路、天津市へ向かいました。天津市の上空から眺めたこちらのマンション群は、立地的に入居者がいるのだろうかと思いながら撮影しました。

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妄想芸術劇場 14 伊藤魔耶

悪魔がいる、貴婦人がいる、両性具有がいる・・・・・・伊藤魔耶の描く世界は、ほとんど文学的と言えるほどに、ストーリー性に満ちている。画面の中で生け贄になるのはむろん女性(あるいは巨大な男根を持った両性具有)だが、それは彼女たちが一方的に肉欲の犠牲となり、男たち(あるいは悪魔たち)に蹂躙されているわけではない。むしろ、彼ら、彼女らはそれぞれの役割を守りながら、無言の、エロスに満ちた演劇の舞台を演じているように見える。1960年代末の日本映画界に、毒々しい花を咲かせた石井輝男の、一連の異常性愛路線映画のように。

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BOOKS

ROADSIDE LIBRARY
天野裕氏 写真集『わたしたちがいたところ』
(PDFフォーマット)

ロードサイダーズではおなじみの写真家・天野裕氏による初の電子書籍。というか印刷版を含めて初めて一般に販売される作品集です。

本書は、定価10万円(税込み11万円)というかなり高価な一冊です。そして『わたしたちがいたところ』は完成された書籍ではなく、開かれた電子書籍です。購入していただいたあと、いまも旅を続けながら写真を撮り続ける天野裕氏のもとに新作が貯まった時点で、それを「2024年度の追加作品集」のようなかたちで、ご指定のメールアドレスまで送らせていただきます。

旅するごとに、だれかと出会いシャッターを押すごとに、読者のみなさんと一緒に拡がりつづける時間と空間の痕跡、残香、傷痕……そんなふうに『わたしたちがいたところ』とお付き合いいただけたらと願っています。

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ROADSIDE LIBRARY vol.006
BED SIDE MUSIC――めくるめくお色気レコジャケ宇宙(PDFフォーマット)

稀代のレコード・コレクターでもある山口‘Gucci’佳宏氏が長年収集してきた、「お色気たっぷりのレコードジャケットに収められた和製インストルメンタル・ミュージック」という、キワモノ中のキワモノ・コレクション。

1960年代から70年代初期にかけて各レコード会社から無数にリリースされ、いつのまにか跡形もなく消えてしまった、「夜のムードを高める」ためのインスト・レコードという音楽ジャンルがあった。アルバム、シングル盤あわせて855枚! その表ジャケットはもちろん、裏ジャケ、表裏見開き(けっこうダブルジャケット仕様が多かった)、さらには歌詞・解説カードにオマケポスターまで、とにかくあるものすべてを撮影。画像数2660カットという、印刷本ではぜったいに不可能なコンプリート・アーカイブです!

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ROADSIDE LIBRARY vol.005
渋谷残酷劇場(PDFフォーマット)

プロのアーティストではなく、シロウトの手になる、だからこそ純粋な思いがこめられた血みどろの彫刻群。

これまでのロードサイド・ライブラリーと同じくPDF形式で全289ページ(833MB)。展覧会ではコラージュした壁画として展示した、もとの写真280点以上を高解像度で収録。もちろんコピープロテクトなし! そして同じく会場で常時上映中の日本、台湾、タイの動画3本も完全収録しています。DVD-R版については、最近ではもはや家にDVDスロットつきのパソコンがない!というかたもいらっしゃると思うので、パッケージ内には全内容をダウンロードできるQRコードも入れてます。

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ROADSIDE LIBRARY vol.004
TOKYO STYLE(PDFフォーマット)

書籍版では掲載できなかった別カットもほとんどすべて収録してあるので、これは我が家のフィルム収納箱そのものと言ってもいい

電子書籍版『TOKYO STYLE』の最大の特徴は「拡大」にある。キーボードで、あるいは指先でズームアップしてもらえれば、机の上のカセットテープの曲目リストや、本棚に詰め込まれた本の題名もかなりの確度で読み取ることができる。他人の生活を覗き見する楽しみが『TOKYO STYLE』の本質だとすれば、電書版の「拡大」とはその密やかな楽しみを倍加させる「覗き込み」の快感なのだ――どんなに高価で精巧な印刷でも、本のかたちではけっして得ることのできない。

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ROADSIDE LIBRARY vol.003
おんなのアルバム キャバレー・ベラミの踊り子たち(PDFフォーマット)

伝説のグランドキャバレー・ベラミ・・・そのステージを飾った踊り子、芸人たちの写真コレクション・アルバムがついに完成!

かつて日本一の石炭積み出し港だった北九州市若松で、華やかな夜を演出したグランドキャバレー・ベラミ。元従業員寮から発掘された営業用写真、およそ1400枚をすべて高解像度スキャンして掲載しました。データサイズ・約2ギガバイト! メガ・ボリュームのダウンロード版/USB版デジタル写真集です。
ベラミ30年間の歴史をたどる調査資料も完全掲載。さらに写真と共に発掘された当時の8ミリ映像が、動画ファイルとしてご覧いただけます。昭和のキャバレー世界をビジュアルで体感できる、これ以上の画像資料はどこにもないはず! マンボ、ジャズ、ボサノバ、サイケデリック・ロック・・・お好きな音楽をBGMに流しながら、たっぷりお楽しみください。

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ROADSIDE LIBRARY vol.002
LOVE HOTEL(PDFフォーマット)

――ラブホの夢は夜ひらく

新風営法などでいま絶滅の危機に瀕しつつある、遊びごころあふれるラブホテルのインテリアを探し歩き、関東・関西エリア全28軒で撮影した73室! これは「エロの昭和スタイル」だ。もはや存在しないホテル、部屋も数多く収められた貴重なデザイン遺産資料。『秘宝館』と同じく、書籍版よりも大幅にカット数を増やし、オリジナルのフィルム版をデジタル・リマスターした高解像度データで、ディテールの拡大もお楽しみください。
円形ベッド、鏡張りの壁や天井、虹色のシャギー・カーペット・・・日本人の血と吐息を桃色に染めあげる、禁断のインテリアデザイン・エレメントのほとんどすべてが、ここにある!

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ROADSIDE LIBRARY vol.001
秘宝館(PDFフォーマット)

――秘宝よ永遠に

1993年から2015年まで、20年間以上にわたって取材してきた秘宝館。北海道から九州嬉野まで11館の写真を網羅し、書籍版では未収録のカットを大幅に加えた全777ページ、オールカラーの巨大画像資料集。
すべてのカットが拡大に耐えられるよう、777ページページで全1.8ギガのメガ・サイズ電書! 通常の電子書籍よりもはるかに高解像度のデータで、気になるディテールもクローズアップ可能です。
1990年代の撮影はフィルムだったため、今回は掲載するすべてのカットをスキャンし直した「オリジナルからのデジタル・リマスター」。これより詳しい秘宝館の本は存在しません!

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捨てられないTシャツ

70枚のTシャツと、70とおりの物語。
あなたにも〈捨てられないTシャツ〉ありませんか? あるある! と思い浮かんだあなたも、あるかなあと思ったあなたにも読んでほしい。読めば誰もが心に思い当たる「なんだか捨てられないTシャツ」を70枚集めました。そのTシャツと写真に持ち主のエピソードを添えた、今一番おシャレでイケてる(?)“Tシャツ・カタログ"であるとともに、Tシャツという現代の〈戦闘服〉をめぐる“ファッション・ノンフィクション"でもある最強の1冊。 70名それぞれのTシャツにまつわるエピソードは、時に爆笑あり、涙あり、ものすんごーい共感あり……読み出したら止まらない面白さです。

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圏外編集者

編集に「術」なんてない。
珍スポット、独居老人、地方発ヒップホップ、路傍の現代詩、カラオケスナック……。ほかのメディアとはまったく違う視点から、「なんだかわからないけど、気になってしょうがないもの」を追い続ける都築響一が、なぜ、どうやって取材し、本を作ってきたのか。人の忠告なんて聞かず、自分の好奇心だけで道なき道を歩んできた編集者の言葉。
多数決で負ける子たちが、「オトナ」になれないオトナたちが、周回遅れのトップランナーたちが、僕に本をつくらせる。
編集を入り口に、「新しいことをしたい」すべてのひとの心を撃つ一冊。

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書評2006-2014

こころがかゆいときに読んでください
「書評2006-2014」というサブタイトルのとおり、これは僕にとって『だれも買わない本は、だれかが買わなきゃならないんだ』(2008年)に続く、2冊めの書評集。ほぼ80冊分の書評というか、リポートが収められていて、巻末にはこれまで出してきた自分の本の(編集を担当した作品集などは除く)、ごく短い解題もつけてみた。
このなかの1冊でも2冊でも、みなさんの「こころの奥のかゆみ」をスッとさせてくれたら本望である。

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独居老人スタイル

あえて独居老人でいること。それは老いていくこの国で生きのびるための、きわめて有効なスタイルかもしれない。16人の魅力的な独居老人たちを取材・紹介する。
たとえば20代の読者にとって、50年後の人生は想像しにくいかもしれないけれど、あるのかないのかわからない「老後」のために、いまやりたいことを我慢するほどバカらしいことはない――「年取った若者たち」から、そういうスピリットのカケラだけでも受け取ってもらえたら、なによりうれしい。

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ヒップホップの詩人たち

いちばん刺激的な音楽は路上に落ちている――。
咆哮する現代詩人の肖像。その音楽はストリートに生まれ、東京のメディアを遠く離れた場所から、先鋭的で豊かな世界を作り続けている。さあ出かけよう、日常を抜け出して、魂の叫びに耳を澄ませて――。パイオニアからアンダーグラウンド、気鋭の若手まで、ロングインタビュー&多数のリリックを収録。孤高の言葉を刻むラッパー15人のすべて。

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東京右半分

2012年、東京右傾化宣言!
この都市の、クリエイティブなパワー・バランスは、いま確実に東=右半分に移動しつつある。右曲がりの東京見聞録!
576ページ、図版点数1300点、取材箇所108ヶ所!

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東京スナック飲みある記
ママさんボトル入ります!

東京がひとつの宇宙だとすれば、スナック街はひとつの銀河系だ。
酒がこぼれ、歌が流れ、今夜もたくさんの人生がはじけるだろう、場末のミルキーウェイ。 東京23区に、23のスナック街を見つけて飲み歩く旅。 チドリ足でお付き合いください!

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