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2017年10月25日 Vol.281

book

奥信濃の鶴と亀

いまから2~3年前、たぶん松本市だったと思うが、いっぷう変わったテイストのフリーペーパーを見つけた。地方出版物はいつも気になるし、どこに出かけてもなるべく本屋に寄ったり、カフェなどのレジそばに積まれているフリーペーパーをチェックするけれど、正直言ってそそられるものに出会う確率は低い。『圏外編集者』でも書いたけれど、ひらがなタイトルのほっこり系か、身内で楽しんでるだけみたいなジンがほとんどだ。そういうなかで何気なく手に取った『鶴と亀』は全ページ異様なテンションで、しかも彩度をギラッと上げた写真に写っているほとんどは、田舎のじいちゃんばあちゃんなのだった。なにこれ? その『鶴と亀』がこのほど第1~5号の総集編となる『鶴と亀 禄(ろく)』として大判の書籍になり、おまけに先日の東京アートブックフェアではロードサイド・ライブラリーの並びのブースで展示販売されていた。

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travel

案山子X 41:かかしの里(愛媛)(写真・文 ai7n)

こんにちは。ai7n(アイン)です。今回は愛媛県大洲市蔵川のかかしの里を紹介します。大洲市は愛媛県の南部に位置する街で、大洲城を中心に城下町として発展しました。今でも武家屋敷やなまこ壁の土蔵など、江戸~明治時代の面影を残す町並みが残っており「伊予の小京都」と呼ばれています。大洲城の最寄駅であるJR伊予大洲駅から15キロほどの山間に、「かかしの里」として有名な蔵川地区があります。

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travel

石川次郎のフランス侵略日記 04 次郎、ボルドーへ(画・文:石川次郎 構成:中山亜弓)

パリでの個展のオープニングも盛況のうちに終えた次郎は、巡回展のコーディネィターでもあるルノとともに、彼のアパルトマンのあるモンペリエに戻った。そこで、大好きなクロエさんがいるボルドーでも展示ができることにり、再会に胸が高鳴るーーー 大事な事だから「後日書く」と記されたまま、肝心な部分には触れずに、蛭子さん風の似顔絵とともにお送りする寄書、奇日記、いよいよ後半に突入です!

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art

中華街に甦る衛生展覧会

かつて「衛生展覧会/博覧会」という見世物があったことを、ビザール系がお好きな方ならご存じだろう。あくまでも庶民啓蒙の体裁を取りながら、その実は人体解剖模型から病理標本に瓶詰め畸形児まで、おどろおどろしい雰囲気に満ちた猟奇的な見世物催事である。いまから半世紀以上前に消滅した衛生展覧会が、11月の2週間だけ、横浜中華街の小さなギャラリーに甦る。SNSによる相互監視密告システムが張り巡らされたこのご時世に、こんなに不穏な展覧会を企画したのは骨董屋でありオブジェアーティストでもあるマンタム。本メルマガ2013年5月15日号で厚木市内の魔窟を紹介した、フェティッシュ/ビザール界の怪人である。

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travel

Back in the ROADSIDE USA 55 Don Q Inn, Dodgeville, WI

アメリカにも「ハネムーン用」と名づけられたラブホテルがある。「テーマホテル」と呼ぶこともある。日本のラブホのようにポピュラーな存在でも、あからさまでもないが、考えることはやっぱり同じ。ウィスコンシン州ドッジヴィルのハイウェイそばにある『ドンQイン』は、ホテルの前に置かれた目印がわりの巨大な飛行機と、全室異なるオモシロ・インテリアで一部のマニアに知られた存在だ。

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2017年10月18日 Vol.280

book

ドラコニアの国へ――澁澤龍彦展@世田谷文学館

十代に出会って決定的な影響を受け、それから何十年経っても読み飽きることがない、そういう作家にひとりでも出会えたら、それだけで人生はずいぶん幸せになると思う。僕の場合はそれが澁澤龍彦だった。子どものころ、実家のビルの上階に宝石やアクセサリーをテレビや写真の撮影にレンタルする仕事をしていたひとが住んでいて、いろんな雑誌をよくまとめて捨てていた。ある日、その山にあった創刊間もない『an・an』のなかに、シャルル・ペローの童話の訳を見つけたのが澁澤龍彦体験の始まりだったと思う。中学生のころだったが、そこから古本屋を歩き回って、『an・an』に澁澤さんを引き入れたアートディレクターの堀内誠一が、『an・an』以前に澁澤さんと組んで発行した『血と薔薇』を探したり、サドや『O嬢の物語』の濃密なエロティシズムに発熱したりしているうちに、「いま流行ってること」がどんどん、どうでもよくなるひねくれ高校生になったのではなかったか。

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art

そう来たかラッシーくん!

今年6月、金沢21世紀美術館で『川越ゆりえ 弱虫標本』展の公開対談をしたときのこと。終了後にそのまま机を寄せ集めて懇親会が始まって、しばらくしたら「私の作品、見てもらえませんか」と話しかけられた。へ~、どんな絵描かれるんですかと聞いたら、「いえ、自分が描くんじゃなくて、いろんなアーティストのかたにお願いして描いてもらってるんです」という。アーティストにコミッション! 一見、ごくふつうの主婦という感じの方なのに・・・とびっくりしていると、葉書をちょっと大きくしたくらいの紙束をリボンで閉じた画集?を手渡された。表紙には『ラッシーくん作品集』と書かれている。ラッシーくんって? 「あ、うちの愛犬なんです。いろんなアーティストのかたに、ラッシーくんをモチーフに描いてもらったコレクションなんです」と言われ、絶句したまま開いてみると、まさに! 油絵に水彩画、木彫にペーパークラフトまで、さまざまなラッシーくんアートが何十点も集められ、しかもそのほとんどの作品写真が、本物のラッシーくんと一緒に写されている。

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art

アウトサイダー・キュレーター日記 35 岩崎風水(写真・文:櫛野展正)

通称「ビックリ箱」と呼ばれる部屋を描いた絵画。「ビックリ箱」とは刑務所用語で、受刑者は面会や診察の待ち時間の際、この白塗りの電話ボックスのような鍵のかかった個室で待機しなければならない。隣に誰が入っているのかも分からないし話をすることも出来ない。絵の中には、若者から腰の曲がった老人まで描かれている。彼らの服装は、運動靴にスリッパ、作業服に半袖など様々だ。「衣類のラインナップを全部描こうと思って。ゴムの草履は舎房で履くやつで、累進処遇が上位の人は優遇措置として、スリッパを買うことが出来るんです。端の老人は、1年間懲罰や事故がなかった時に貰える無事故賞が右腕に付いてて、これは23年間無事故が続いたということ。無期懲役の人の場合、40年無事故賞を集めた強者もいました。」

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photography

狂女の日常――YOSHI YUBAI写真展『URI』

これまで本メルマガにサンフランシスコ・テンダーロイン地区や浅草のアンダーグラウンド・ドキュメンタリーを寄せてくれた、広島県福山市出身のフォトグラファー弓場井宜嗣(ゆばい・よしつぐ)=YOSHI YUBAI。2016年の『浅草暗黒大陸』に続いて新宿PLACE Mで新作展『URI』を開催する。展覧会サイトの説明にたった一行「狂女『URI』の記録」と記されているURIは、YUBAIくんが「以前付き合っていた女の子」。そういう関係でないと撮れないであろう、ひとりの女性が内在するフリーキーなエネルギーが、モノクロームを主体とした画面上で暴発しているようだ。

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travel

Back in the ROADSIDE USA 54 Big is beautiful

今週のロードサイドUSA再訪はちょっと趣向を変えて、アメリカの路傍に「でかいもの」を探してみた。9月20日号ではサウスキャロライナ・ギャフニーの「ピーチョイド」=桃型給水塔を紹介した。巨大人間、巨大生物、巨大記念碑・・・ハイウェイを降りて町に乗り入れるとき、まず目に入るのが「巨大なるなにか」であることがよくある。それは町のランドマークであったり、商業施設の広告塔であったり、モチーフも目的もさまざまだが、共通しているのは事物が極端に拡大されることから生まれる、シュールな存在感だ。今回お目にかけるのは、7年間に及んだアメリカ裏街道の旅路で見つけた「無駄にでかいもの」の、ほんの一部にすぎない。

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2017年10月11日 Vol.279

book

『TOKYO STYLE』、サイトでの販売開始!

先週末に天王洲で開催された「東京アートブックフェア2017」、ものすごい混雑でしたね~。寺田倉庫まで行って、入場制限で入れなかったひともいると思います。運良く入場できたみなさまも含めて、ほんとにお疲れさまでした!ブックフェアのロードサイダーズ・ブースでお披露目した電子書籍版『TOKYO STYLE』が、メルマガのサイトからも購入できるようになりました! ダウンロード版、USB版どちらも、サイトのショップページをご覧ください。

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photography

どうでもいいものの輝き――平原当麻の写真を見る

写真ファンならご存じだろうが、東京新宿一丁目あたりには写真専門のギャラリーが何軒か集まっている。中にはひとつのビルに複数のギャラリーが入っていることもあるので、ついでに覗いてみた展覧会で予期せぬ出会いや発見があったりもする。先日、用事があって写真家の瀬戸正人さんらが運営するギャラリーPLACE Mに行ったとき、階下のRED Photo Galleryで展覧会を開いていたのが平原当麻さんだった。REDは若手の写真家十数人が共同で運営するギャラリーで、各自が年に何度か展覧会を開くことになっていて、そのときちょうど平原当麻さんが『ライヴ・アンダー・ザ・スカイ』という、お洒落でジャジーなタイトルの、ぜんぜんお洒落でもジャジーでもない都市風景を撮りためたプリントを展示していたのだった。

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魔都は踊る――上海ダンスホール事情(写真・文:吉井忍)

2014年に写真家・任航(レン・ハン)をインタビューしてくれた北京在住の吉井忍さん。現在も日本と中国を行ったり来たりしながら、さまざまな取材を続けている。先日、久しぶりにお会いしたら「北京も上海も、いまはダンスがすごくて!」と言うので、クラブカルチャーの話かと思いきや、年配層の社交ダンス・シーンが熱いのだと。そういえば朝から公園で踊ってるひとたちとか、いるよなあ。運動になるだけでなく、異性と触れあうことでホルモンバランス改善にも効果的と言われ、我が国でも中高年層に人気が高まりつつあるけれど、日本よりはるかに盛り上がっているという上海のダンス・シーンを覗いてきてもらった。素敵な異性との触れあい、あったんでしょうか!

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travel

石川次郎のフランス侵略日記 03 Jiro、パリ侵略!!(画・文:石川次郎 構成:中山亜弓)

アラフィフにして巡回展のためにフランスに渡った石川次郎が、モンペリエでの展示を終えて、いよいよパリを目指します。すでに読者はお気づきかと思いますが、英語もフランス語も覚束ない無名のアーティストが1人で、どのようにフランスのオルタナティブアートの世界に斬り込んでゆくのか…現地のギャラリーやアーティストたちとどのような交渉や交流をしたのか…といった情報は一切出てきません。これは、日本に絶望し、フランス移住を夢見る1アーティストの独り言、内なる旅の記録です。蛭子さん風似顔絵とともにお届けします。

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movie

はぐれAV劇場 21 代々木忠監督『チャネリングFUCK 悪霊と精霊たち』(文:大須蔵人)

この作品は、おそらくメジャーAV史上最も「不穏」といえる、以下の警告文で幕を開ける。「次の方は、この作品をご覧にはならないで下さい・心臓に障害のある方・妊娠中の方及び妊娠していると思われる方・高令者及び虚弱な方」さらに、観るものの不安を煽るように以下のテロップが続く。「この作品は、出演する女性たちの意識を異次元にシフトさせ、波長の法則に基き人間の出す波動同志のSEXを試みた極めて実験的なビデオであるが…トランス状態の中での異次元体験は結果としていわゆる霊界レベルと同調することとなり、我々は撮影中山崎麻美に憑依していた五百数十年昔の怨念霊との戦いを強いられる結果をまねいた。結果的に極めて貴重な現象をビデオに収録することが出来たのだが本作品中の出来事は我々人類に対する宇宙意識からの警告なのかも知れない。」

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Back in the ROADSIDE USA 53 Enchanted Castle Studios/Natural Bridge, VA

18世紀、19世紀にはヨーロッパ人にとって、新大陸の2大名勝といえばナイアガラ瀑布とナチュラルブリッジという時代があったという。そんな老舗観光地ではあるが、ナチュラルブリッジも近年はもっと派手な後発観光地にすっかり客を取られ、寂れるいっぽうというありがちな末路を辿っていた。そこに登場したのが若きエンターテイナー兼ファイバーグラス・アーティストという珍しい肩書きを持つ男、マーク・クラインである。高校を卒業後、職も住処もなくうろついていたところをファイバーグラス工房に拾われたのが縁で、この世界に入ったというクラインは、ナチュラルブリッジに『エンチャンテッド・キャッスル』と名づけた工房を開き、アメリカ各地の遊園地やミニゴルフ場、その他さまざまな顧客のために怪獣に猛獣、ドラキュラからスーパーマンまで、ありとあらゆる立体作品をファイバーグラスで作ってきた。工房は一般に公開され、だれでも制作のプロセスを見学できるようになっていた。

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2017年10月04日 Vol.278

book

電子書籍版『TOKYO STYLE』、完成!

2016年7月にリリースした『秘宝館』から始まったロードサイド・ライブラリー。『ラブホテル』、『おんなのアルバム キャバレー・ベラミの踊り子たち』と続いて、ついに第4弾『TOKYO STYLE』が完成、今週末から始まる「東京アートブックフェア2017」でリリースされる。『TOKYO STYLE』が最初の大判写真集として世に出たのが1993年。実際に撮影で東京都内を原チャリで走り回っていたのが1991年あたりだったから、今年はあれからちょうど25年、四半世紀。世界があれからますます不景気になり、不安定になって、貧富の格差が開いていることだけは確かだ。日本は前よりずいぶん暮らしにくくなったろうし、大災害にも襲われた。同時に多くのひとが前よりずいぶん消費欲にも、所有欲にも、勝ち組を目指そうという野心にも惑わされなくなってきた気がする。

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博士の異常な記録愛――西山夘三のすまい採集帖

『TOKYO STYLE』に取りかかる直前、京都に2年ほど暮らしていた。1990年前後の京都はバブル絶頂期で、伝統的な街並みに「ポストモダン」という名の現代建築が乱立し、あまりの醜さに僕は『テレスコープ』というオルタナ系の小さな建築雑誌で『京都残酷物語』なる特集を作らせてもらい、それはのちに抜き刷りの小冊子にもなった。京都の南北を分断する巨大な壁のごとき駅ビルが、設計コンペで原広司案に決まったのも1991年のことだった。当時、バブルに踊る京都土木&建築界の片隅で、昔ながらの街並みを保存しようという運動も地道に展開していて、京都に来たばかりの僕が知ったのは、西山夘三という左派建築論客の象徴のような、元気なおじいさんがいるということだった。

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ディープ・コリアふたたび 10 順天~釜山(画・写真・文:幻の名盤解放同盟)

駅前はちょっとした公園になっていてベンチだの植え込みだの、陽陰用のひさしだのがあり、老人だけではなく若者やおばさんおじさんも、くつろいでいる。順天周辺の地図はないか、と駅中に旅行案内所があったので訪ねてみた。「韓国全図はありませんか?」以前は観光公社のロビーなどに普通に置いてあった。むしろその地方の地図のほうがめずらしいものだった。というより、地域の地図の配布はほとんどなかった。それらが作られていたのは、ソウルと釜山、慶州ぐらいのものだ。さらに、我々は、大韓の様々な土地へ赴いたが、地図を求めたことはなかった。探しもしなければ使う気もなかった。端から地図といえば大韓全図しか頭になかった。あれだけあれば十分だった。だから再訪の旅にあたってもそれを使おうと考えていた。それが当然のことだと思っていたのだが、何故かどこへ行っても見当たらないのだった。

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art

樹海の因果――根本敬ゲルニカ計画

先週日曜日(10月1日)、羽田空港に近い京浜島の須田鉄工所で、『鉄工島フェス』が開催された。石野卓球、七尾旅人などが演奏したステージの背景として掲げられていたのが根本敬の『樹海』、5月末から4ヶ月の時間をかけて描き上げられた349×777cmの大作だった。京浜島は東京都大田区に属する小さな人工島。羽田空港に向き合う「つばさ公園」は、旅客機の離着陸が間近に見られる聖地として飛行機マニアにはよく知られている。かつては鉄工所をはじめとする工場や物流基地として繁栄したが、近年では廃棄物処理場やリサイクルセンターが集まる地域となりつつあり、再活性化が望まれてきた。寺田倉庫が2016年に立ち上げたオープンアトリエ「BUCKLE KÔBÔ」(バックルコーボー)もその試みのひとつ。

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絶滅サイト 20「メンズウォッチング」~「担々麺」(文:ハマザキカク)

ニッチトップを目指せたかもしれないのに、写真や解説が貧弱『担々麺ブログ』(2007年~2011年 運営期間4年 絶滅期間6年)――世の中には無数のラーメンブログやラーメンサイトがあるが、そうしたレッドオーシャンから一歩距離を置いた担々麺や焼きそばなどのジャンルに移るだけで、ニッチトップになれそう。しかしこのブログはグルメブログとしては相当物足りない。訪れた地域が一覧になって右に掲載されているのだが、ほとんどの件数が1件のみ。合計しても50は超えないだろう。それぞれのレビューを見てみると、提供された担々麺を椅子に座った目線から移動することなく撮影しているので、いずれも斜め上な上に、器がフレームから外れていたり、そうでなかったりと不統一で、ピンぼけやフラッシュによる反射が酷く、10年前に撮影されていたものとして見てみても劣悪。レーティングも「おいしさ」と「辛さ」の二項目のみで、「スープ」「コスパ」「雰囲気」「サービス」といった指標はなく、ほとんど参考にならない。感想文もTwitter程度の長さで何の捻りもなく、面白みに欠ける。

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travel

Back in the ROADSIDE USA 52 Pinball Hall of Fame, Las Vegas, NV

今週号を書いているいま月曜の午後、点けっぱなしのテレビからラスヴェガス銃乱射事件のニュースが流れてきた。アメリカでいちばん好きな場所のひとつで、こんなにも残虐な事件が・・・。これまでこの連載ではラスヴェガス・エリアでネオン・ミュージアムや、砂漠の彫刻庭園ゴールドウェルを紹介してきた。今週は別の州のスポットを取り上げるつもりだったけれど、喪に服すラスヴェガスに哀悼の意を表して、これもラスヴェガスらしいストレンジ・ミュージアムをご覧いただきたい。紅白歌合戦の美川憲一のような奇抜すぎる衣裳とパフォーマンスで一世を風靡し、キッチュ好きのあいだでは名高い「ミスター・ラスヴェガス」とでも呼ぶべきリベラーチェのミュージアムは、ヴェガスの意外な名所である。カジノ・ホテル街を離れた住宅街であるエリアに足を伸ばし、リベラーチェ・ミュージアムを訪れる観光客は少なくないが、そのそばのショッピング・センターの一角にある『ピンボール・ホール・オヴ・フェイム』にまで足を伸ばそうという物好きはそれほど多くない。

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BOOKS

ROADSIDE LIBRARY vol.004
TOKYO STYLE(PDFフォーマット)

書籍版では掲載できなかった別カットもほとんどすべて収録してあるので、これは我が家のフィルム収納箱そのものと言ってもいい

電子書籍版『TOKYO STYLE』の最大の特徴は「拡大」にある。キーボードで、あるいは指先でズームアップしてもらえれば、机の上のカセットテープの曲目リストや、本棚に詰め込まれた本の題名もかなりの確度で読み取ることができる。他人の生活を覗き見する楽しみが『TOKYO STYLE』の本質だとすれば、電書版の「拡大」とはその密やかな楽しみを倍加させる「覗き込み」の快感なのだ――どんなに高価で精巧な印刷でも、本のかたちではけっして得ることのできない。

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ROADSIDE LIBRARY vol.003
おんなのアルバム キャバレー・ベラミの踊り子たち(PDFフォーマット)

伝説のグランドキャバレー・ベラミ・・・そのステージを飾った踊り子、芸人たちの写真コレクション・アルバムがついに完成!

かつて日本一の石炭積み出し港だった北九州市若松で、華やかな夜を演出したグランドキャバレー・ベラミ。元従業員寮から発掘された営業用写真、およそ1400枚をすべて高解像度スキャンして掲載しました。データサイズ・約2ギガバイト! メガ・ボリュームのダウンロード版/USB版デジタル写真集です。
ベラミ30年間の歴史をたどる調査資料も完全掲載。さらに写真と共に発掘された当時の8ミリ映像が、動画ファイルとしてご覧いただけます。昭和のキャバレー世界をビジュアルで体感できる、これ以上の画像資料はどこにもないはず! マンボ、ジャズ、ボサノバ、サイケデリック・ロック・・・お好きな音楽をBGMに流しながら、たっぷりお楽しみください。

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ROADSIDE LIBRARY vol.002
LOVE HOTEL(PDFフォーマット)

――ラブホの夢は夜ひらく

新風営法などでいま絶滅の危機に瀕しつつある、遊びごころあふれるラブホテルのインテリアを探し歩き、関東・関西エリア全28軒で撮影した73室! これは「エロの昭和スタイル」だ。もはや存在しないホテル、部屋も数多く収められた貴重なデザイン遺産資料。『秘宝館』と同じく、書籍版よりも大幅にカット数を増やし、オリジナルのフィルム版をデジタル・リマスターした高解像度データで、ディテールの拡大もお楽しみください。
円形ベッド、鏡張りの壁や天井、虹色のシャギー・カーペット・・・日本人の血と吐息を桃色に染めあげる、禁断のインテリアデザイン・エレメントのほとんどすべてが、ここにある!

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ROADSIDE LIBRARY vol.001
秘宝館(PDFフォーマット)

――秘宝よ永遠に

1993年から2015年まで、20年間以上にわたって取材してきた秘宝館。北海道から九州嬉野まで11館の写真を網羅し、書籍版では未収録のカットを大幅に加えた全777ページ、オールカラーの巨大画像資料集。
すべてのカットが拡大に耐えられるよう、777ページページで全1.8ギガのメガ・サイズ電書! 通常の電子書籍よりもはるかに高解像度のデータで、気になるディテールもクローズアップ可能です。
1990年代の撮影はフィルムだったため、今回は掲載するすべてのカットをスキャンし直した「オリジナルからのデジタル・リマスター」。これより詳しい秘宝館の本は存在しません!

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捨てられないTシャツ

70枚のTシャツと、70とおりの物語。
あなたにも〈捨てられないTシャツ〉ありませんか? あるある! と思い浮かんだあなたも、あるかなあと思ったあなたにも読んでほしい。読めば誰もが心に思い当たる「なんだか捨てられないTシャツ」を70枚集めました。そのTシャツと写真に持ち主のエピソードを添えた、今一番おシャレでイケてる(?)“Tシャツ・カタログ"であるとともに、Tシャツという現代の〈戦闘服〉をめぐる“ファッション・ノンフィクション"でもある最強の1冊。 70名それぞれのTシャツにまつわるエピソードは、時に爆笑あり、涙あり、ものすんごーい共感あり……読み出したら止まらない面白さです。

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圏外編集者

編集に「術」なんてない。
珍スポット、独居老人、地方発ヒップホップ、路傍の現代詩、カラオケスナック……。ほかのメディアとはまったく違う視点から、「なんだかわからないけど、気になってしょうがないもの」を追い続ける都築響一が、なぜ、どうやって取材し、本を作ってきたのか。人の忠告なんて聞かず、自分の好奇心だけで道なき道を歩んできた編集者の言葉。
多数決で負ける子たちが、「オトナ」になれないオトナたちが、周回遅れのトップランナーたちが、僕に本をつくらせる。
編集を入り口に、「新しいことをしたい」すべてのひとの心を撃つ一冊。

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ROADSIDE BOOKS
書評2006-2014

こころがかゆいときに読んでください
「書評2006-2014」というサブタイトルのとおり、これは僕にとって『だれも買わない本は、だれかが買わなきゃならないんだ』(2008年)に続く、2冊めの書評集。ほぼ80冊分の書評というか、リポートが収められていて、巻末にはこれまで出してきた自分の本の(編集を担当した作品集などは除く)、ごく短い解題もつけてみた。
このなかの1冊でも2冊でも、みなさんの「こころの奥のかゆみ」をスッとさせてくれたら本望である。

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独居老人スタイル

あえて独居老人でいること。それは老いていくこの国で生きのびるための、きわめて有効なスタイルかもしれない。16人の魅力的な独居老人たちを取材・紹介する。
たとえば20代の読者にとって、50年後の人生は想像しにくいかもしれないけれど、あるのかないのかわからない「老後」のために、いまやりたいことを我慢するほどバカらしいことはない――「年取った若者たち」から、そういうスピリットのカケラだけでも受け取ってもらえたら、なによりうれしい。

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ヒップホップの詩人たち

いちばん刺激的な音楽は路上に落ちている――。
咆哮する現代詩人の肖像。その音楽はストリートに生まれ、東京のメディアを遠く離れた場所から、先鋭的で豊かな世界を作り続けている。さあ出かけよう、日常を抜け出して、魂の叫びに耳を澄ませて――。パイオニアからアンダーグラウンド、気鋭の若手まで、ロングインタビュー&多数のリリックを収録。孤高の言葉を刻むラッパー15人のすべて。

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東京右半分

2012年、東京右傾化宣言!
この都市の、クリエイティブなパワー・バランスは、いま確実に東=右半分に移動しつつある。右曲がりの東京見聞録!
576ページ、図版点数1300点、取材箇所108ヶ所!

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東京スナック飲みある記
ママさんボトル入ります!

東京がひとつの宇宙だとすれば、スナック街はひとつの銀河系だ。
酒がこぼれ、歌が流れ、今夜もたくさんの人生がはじけるだろう、場末のミルキーウェイ。 東京23区に、23のスナック街を見つけて飲み歩く旅。 チドリ足でお付き合いください!

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