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AFTER HOURS
編集後記

2018年01月10日 Vol.291

今週も最後までお付き合い、ありがとうございました! 1月も2週目、もうすっかり通常運転モードでしょうか。そして気に入っていただけた記事、あったでしょうか。

先週はインド・タラブックス展のリポートを書きましたが、会期終了直前にもかかわらず、たくさんのかたから「駆け込みで行ってきた!」というメッセージをいただきました。ああいうスタンスで本づくりができたら、ほんとにいいですよねえ。

今年の課題のひとつは「会期終了直前の記事掲載を減らすこと」なので! 告知に入れられなかった重要な展覧会お知らせをひとつ。いまからちょうど1年前、2017年の1月4日号で紹介した生頼範義(おおらい・のりよし)の展覧会が、東京上野の森美術館で始まったばかりです。


「MACROSS PERFECT MEMORY」©1982 ビックウエスト

生頼範義は1935年兵庫県明石市生まれ、2015年に宮崎で亡くなっています。享年79歳でした。『宮本武蔵』をはじめとする吉川英治の多くの著作や、平井和正の『ウルフガイシリーズ』『幻魔大戦』、小松左京の『日本沈没』、創元SF文庫の『レンズマン・シリーズ』などの小説類のカバーアート。ジョージ・ルーカスから依頼を受けた『スターウォーズ 帝国の逆襲』の国際版ポスターや、1984年の復活以来の『ゴジラ』シリーズなど、多くの映画ポスター。だれもがその絵をどこかで目にしているはずなのに、生頼範義という名前をどれほどのひとが認識しているでしょうか。去年の会場となったみやざきアートセンターでは2014年から3期にわたって連続展が組まれましたが、東京でこれだけ包括的な展覧会が開催されるのは、おそらくこれが初めてのはず。ギャラリートークなどのイベントもすでに予約完売が相次いでいるようで、現代美術とは別のステージで、人気と期待の高さがひしひしと伝わってきます。


SFアドベンチャー「ルクレチア」©生賴範義 

展覧会の予習として、去年の記事から略歴にあたる部分を抜き出しておくと――

生頼範義が生まれた1935年は、太平洋戦争に向かって日本が大きく傾斜していった時代だった。戦争の中で少年時代を過ごし、終戦の年となる1945年には明石の大空襲に遭い、鹿児島県川内市(現・薩摩川内市)に疎開。高校卒業までを川内で過ごすことになる。
幼いころから絵が得意だったという範義少年は、高校卒業後に上京、東京藝大絵画科に進学。油絵科を専攻するが、3年生になって退学。2度の放浪を含むボヘミアン的な生活を送ったあと、1960年に25歳で初個展。そして結婚を経て、雑誌の挿絵や新聞広告を足がかりに、イラストレーターとしての活動を始めることになった。
70年代に入るころにはすでに売れっ子イラストレーターとしての地位を確立していたが、広いアトリエを求めて東京脱出を決意。最初は少年時代を過ごした鹿児島の川内市を考えたが、大きな画材店がないことがネックになり、妻・康子さんの実家がある串間市に近い宮崎市に決めたという。空き家だった農家を見つけ、東京から移住を果たしたのが1973年のこと。『日本沈没』も『スターウォーズ』も、この農家の納屋を改造したアトリエから生まれたのだった。
東京のクライアントから殺到する仕事を受けて、アトリエにこもってひたすら絵を描く日々。仕事が増えるにつれ、ほとんど外出することもなくなったそうで、当然ながら地元の画壇やメディアとの付き合いもなかったろう。周囲にまったく知られることのないまま、生頼範義は日本全国に、ときには世界規模で作品をリリースしていったのだった。
2011年、生頼範義は脳梗塞で倒れる。プラモデル・メーカーから依頼された空母「飛龍」の描きかけの作品が、絶筆となった。


「マッドマックス2」©1982 Warner Bros. Entertainment Inc.

僕自身はまだ展覧会に行けてないのですが(いまはカンボジアのプノンペンにいます!)、宮崎と同じく今回も『未完の油彩群』と題された、商業イラストレーションとはまったく別の、生前未発表だった油絵も展示されるはず。だれにも見せないまま描き続けた、ものすごくパワフルな作品群。だれもが見たことのあるイラストレーションと、だれも見たことがない油絵。その両極に振れた作家の画業を、膨大な数の作品から体感していただけたらと願います。

生頼範義にはオーライタローさんという画家の息子さんがいるのですが、父の教えは油絵の描き「始め」方、そしてあとは「毎日描け」。このふたつだけだったそう。最高ですね!

ただいまプノンペンは火曜日午前10時、気温32度! 近々、南国のアンダーワールドからのリポートも掲載できる予定です。お楽しみに!


生賴範義展 THE ILLUSTRATOR
~2月4日(日)まで開催中(期間中休館日なし)
@上野の森美術館
http://ohrai.net/index.html

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BOOKS

ROADSIDE LIBRARY vol.004
TOKYO STYLE(PDFフォーマット)

書籍版では掲載できなかった別カットもほとんどすべて収録してあるので、これは我が家のフィルム収納箱そのものと言ってもいい

電子書籍版『TOKYO STYLE』の最大の特徴は「拡大」にある。キーボードで、あるいは指先でズームアップしてもらえれば、机の上のカセットテープの曲目リストや、本棚に詰め込まれた本の題名もかなりの確度で読み取ることができる。他人の生活を覗き見する楽しみが『TOKYO STYLE』の本質だとすれば、電書版の「拡大」とはその密やかな楽しみを倍加させる「覗き込み」の快感なのだ――どんなに高価で精巧な印刷でも、本のかたちではけっして得ることのできない。

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ROADSIDE LIBRARY vol.003
おんなのアルバム キャバレー・ベラミの踊り子たち(PDFフォーマット)

伝説のグランドキャバレー・ベラミ・・・そのステージを飾った踊り子、芸人たちの写真コレクション・アルバムがついに完成!

かつて日本一の石炭積み出し港だった北九州市若松で、華やかな夜を演出したグランドキャバレー・ベラミ。元従業員寮から発掘された営業用写真、およそ1400枚をすべて高解像度スキャンして掲載しました。データサイズ・約2ギガバイト! メガ・ボリュームのダウンロード版/USB版デジタル写真集です。
ベラミ30年間の歴史をたどる調査資料も完全掲載。さらに写真と共に発掘された当時の8ミリ映像が、動画ファイルとしてご覧いただけます。昭和のキャバレー世界をビジュアルで体感できる、これ以上の画像資料はどこにもないはず! マンボ、ジャズ、ボサノバ、サイケデリック・ロック・・・お好きな音楽をBGMに流しながら、たっぷりお楽しみください。

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ROADSIDE LIBRARY vol.002
LOVE HOTEL(PDFフォーマット)

――ラブホの夢は夜ひらく

新風営法などでいま絶滅の危機に瀕しつつある、遊びごころあふれるラブホテルのインテリアを探し歩き、関東・関西エリア全28軒で撮影した73室! これは「エロの昭和スタイル」だ。もはや存在しないホテル、部屋も数多く収められた貴重なデザイン遺産資料。『秘宝館』と同じく、書籍版よりも大幅にカット数を増やし、オリジナルのフィルム版をデジタル・リマスターした高解像度データで、ディテールの拡大もお楽しみください。
円形ベッド、鏡張りの壁や天井、虹色のシャギー・カーペット・・・日本人の血と吐息を桃色に染めあげる、禁断のインテリアデザイン・エレメントのほとんどすべてが、ここにある!

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ROADSIDE LIBRARY vol.001
秘宝館(PDFフォーマット)

――秘宝よ永遠に

1993年から2015年まで、20年間以上にわたって取材してきた秘宝館。北海道から九州嬉野まで11館の写真を網羅し、書籍版では未収録のカットを大幅に加えた全777ページ、オールカラーの巨大画像資料集。
すべてのカットが拡大に耐えられるよう、777ページページで全1.8ギガのメガ・サイズ電書! 通常の電子書籍よりもはるかに高解像度のデータで、気になるディテールもクローズアップ可能です。
1990年代の撮影はフィルムだったため、今回は掲載するすべてのカットをスキャンし直した「オリジナルからのデジタル・リマスター」。これより詳しい秘宝館の本は存在しません!

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捨てられないTシャツ

70枚のTシャツと、70とおりの物語。
あなたにも〈捨てられないTシャツ〉ありませんか? あるある! と思い浮かんだあなたも、あるかなあと思ったあなたにも読んでほしい。読めば誰もが心に思い当たる「なんだか捨てられないTシャツ」を70枚集めました。そのTシャツと写真に持ち主のエピソードを添えた、今一番おシャレでイケてる(?)“Tシャツ・カタログ"であるとともに、Tシャツという現代の〈戦闘服〉をめぐる“ファッション・ノンフィクション"でもある最強の1冊。 70名それぞれのTシャツにまつわるエピソードは、時に爆笑あり、涙あり、ものすんごーい共感あり……読み出したら止まらない面白さです。

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圏外編集者

編集に「術」なんてない。
珍スポット、独居老人、地方発ヒップホップ、路傍の現代詩、カラオケスナック……。ほかのメディアとはまったく違う視点から、「なんだかわからないけど、気になってしょうがないもの」を追い続ける都築響一が、なぜ、どうやって取材し、本を作ってきたのか。人の忠告なんて聞かず、自分の好奇心だけで道なき道を歩んできた編集者の言葉。
多数決で負ける子たちが、「オトナ」になれないオトナたちが、周回遅れのトップランナーたちが、僕に本をつくらせる。
編集を入り口に、「新しいことをしたい」すべてのひとの心を撃つ一冊。

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ROADSIDE BOOKS
書評2006-2014

こころがかゆいときに読んでください
「書評2006-2014」というサブタイトルのとおり、これは僕にとって『だれも買わない本は、だれかが買わなきゃならないんだ』(2008年)に続く、2冊めの書評集。ほぼ80冊分の書評というか、リポートが収められていて、巻末にはこれまで出してきた自分の本の(編集を担当した作品集などは除く)、ごく短い解題もつけてみた。
このなかの1冊でも2冊でも、みなさんの「こころの奥のかゆみ」をスッとさせてくれたら本望である。

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独居老人スタイル

あえて独居老人でいること。それは老いていくこの国で生きのびるための、きわめて有効なスタイルかもしれない。16人の魅力的な独居老人たちを取材・紹介する。
たとえば20代の読者にとって、50年後の人生は想像しにくいかもしれないけれど、あるのかないのかわからない「老後」のために、いまやりたいことを我慢するほどバカらしいことはない――「年取った若者たち」から、そういうスピリットのカケラだけでも受け取ってもらえたら、なによりうれしい。

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ヒップホップの詩人たち

いちばん刺激的な音楽は路上に落ちている――。
咆哮する現代詩人の肖像。その音楽はストリートに生まれ、東京のメディアを遠く離れた場所から、先鋭的で豊かな世界を作り続けている。さあ出かけよう、日常を抜け出して、魂の叫びに耳を澄ませて――。パイオニアからアンダーグラウンド、気鋭の若手まで、ロングインタビュー&多数のリリックを収録。孤高の言葉を刻むラッパー15人のすべて。

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東京右半分

2012年、東京右傾化宣言!
この都市の、クリエイティブなパワー・バランスは、いま確実に東=右半分に移動しつつある。右曲がりの東京見聞録!
576ページ、図版点数1300点、取材箇所108ヶ所!

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東京スナック飲みある記
ママさんボトル入ります!

東京がひとつの宇宙だとすれば、スナック街はひとつの銀河系だ。
酒がこぼれ、歌が流れ、今夜もたくさんの人生がはじけるだろう、場末のミルキーウェイ。 東京23区に、23のスナック街を見つけて飲み歩く旅。 チドリ足でお付き合いください!

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