• TOP
  • 編集後記

AFTER HOURS
編集後記

2023年11月01日 Vol.571

今週も最後までお付き合いありがとうございました。いま、ウクライナに続いてパレスチナが悲劇の舞台になっていますが、今週はヒズボラの本拠地であり、すでにイスラエル軍との交戦も散発的に起きているレバノンからの報告を、アツコ・バルーさんが寄せてくれました。来週はその後編を掲載予定。ニュースでは報じらることのない、戦乱の地の日常。その空気感を受け取ってもらえたらうれしいです。

今週もいろんな告知を載せましたが、もう12年もメールマガジンをやっていると、これまでに取材させてもらったアーティストたちの展覧会お知らせも増えるいっぽうで、うれしい悲鳴というか。とても全部は紹介しきれないのですが、今週も3つ、このスペースを使って告知させてください。東京が2つと福島が1つ。個人的にすごく気になる展覧会だけを集めたので、もし機会があったらぜひ!足を運んでいただけますよう。

死刑囚表現展2023 11月3日~5日

先週の記事で紹介した毎年恒例の「死刑囚表現展」。今年も今週末に開催されます。会議室のような狭い空間に詰め込まれた、数百点に及ぶ2023年度の全応募絵画作品の熱気! スタイリッシュな美術館とはまったく別種の、創造のエネルギーがそこに渦巻いています。たった3日間、東京のみの展示ですが、極限の表現に関心を持つひとりでも多くのかたに観ていただきたいと願います。




死刑囚表現展2023
11月3日(金)~5日(日)
@入船・松本治一郎記念館 5階会議室
https://forum90.net/event/archives/56#post-detail

菩遅 【ぼっち】という呼び名の一連のかたち展 11月3日~12日

最初に紹介したのが2012年10月3日号「黄昏どきの路上幻視者」。それから何度も登場してもらっている仙台在住のグラフィティ・ライター/アーティスト「朱のべん」。Venというアーティストネームでの新たな展開が、今週金曜日から福島市のOOMACHI GALLERYで発表されます。

Venは東北で独自の進化を遂げた作家です。
2000年代初頭から描き続けた渦巻き・螺旋は、
近年”菩遅(ぼっち)”というはじめの答えに辿り着きました。
雨や風に打たれた街で見かける"ぼっち"も
額縁に採集された"ぼっち"も
昔からひっそりとそこに在るような懐かしさを感じる一方で
未来人が作ったかもしれないオーパーツのような出土品にも見えてくる。
そんな不思議な魅力があるVenの描く”ぼっち”達を
たくさんの方に観て頂きたいと思います。 
(リリースより)


展示予定作品より

11月5日(日)にはライブペイント、10日には食堂ヒトトとの連動企画もあるそうなので、こちらも機会があればぜひ! ちなみに開催場所のOOMACHI GALLERYはまだ伺ったことがないのですが、WEBサイトの説明によると――

OOMACHI GALLERYは福島県福島市大町に位置するニューヤブウチビル3階にオープンした小さなギャラリースペースです。
1階は国内外から選び抜かれた商品が並ぶ老舗の眼鏡店「OPUTICALYABUUCHI」、2階は豊富な植物と個性的なアレンジが魅力な「total plants bloom」、世界中のDJやコレクターから信頼を集めるレコード店「Little Bird」、3階は2016年9月に吉祥寺から移転したマクロビオティック料理「食堂ヒトト」が店を構え、その隣に新たにオープンしたのがOOMACHIGALLERYです。

とのことで、なんだか元気良さそうなビル。街歩きしてみたくなります!


菩遅 【ぼっち】という呼び名の一連のかたち展
by Ven

11月3日(金) ~11月12日(日) 12:00-19:00 (火・水休廊)
@OOMACHI GALLERY
福島県福島市大町9-21 3F
https://oomachigallery.com/
https://instagram.com/oomachigallery/?hl=ja

*11月5日(日)
ILLROMAN BRO ライブペイント
@illllllllllluss × ven @v_o_c_c_c_i
*11月10日(金)
@hitoto_fukushima 連動企画

「或る未亡人の版画コレクション」重野克明新作展 11月1日~20日

2018年01月10日号「日常版画家」で紹介して以来、ロードサイダーズではおなじみの重野克明(大道芸術館にも作品入ってます!)。版画家生活二十周年記念(!)という新作展が、日本橋高島屋で開催されます。


重野克明氏は1975年千葉県に生まれ、2003年東京藝術大学大学院修士課程美術研究科版画専攻を修了、現在は茨城県水戸市で制作を行っています。銅版画を中心に油彩画、絹本による水墨や着彩画、ドローイング、陶芸など多彩な作品を発表し、風刺の効いた毒のあるユーモアと脱力的な洒脱さで魅せる、独自のディープな世界観で、マニアックなアートファンにも熱烈な支持を受けています。日常の“あるある”に、それを超えるデペイズマン(違和感)を発生させるのが重野作品の特徴のひとつです。高島屋で8回目となる今回の個展は、作家自ら「版画家生活二十周年記念」と謳うことで自身を追い込み、現在までの作家人生の上に今後の前進につながる新しい何かを掴もうとする挑戦と、周囲からの祝意を期待する作家の打算とが交錯する、重野ならではのコンプレックスな世界が展開されます。銅版画作品の他、油彩画、水彩画、絹本着彩画など約40点を発表いたします。
”版画家Sの未亡人は、夫の遺したエステートで幸福な余生を送れるのか?”この「版画家生活二十周年記念」展で、自己の新作を自虐も込めメタ的に俯瞰します。重野作品の新たな一面をお楽しみください。
(リリースより)

おもに銅版画という重厚な(とされている)メディアを使って、ごく日常的でささいな瞬間を刻んでいく、その違和感の楽しさのようなものを、実作品から感じ取っていただけたらと。なお会場となる美術画廊Xはものすごくクラシックで高価な美術工芸品がずらっと並ぶ特選フロアにあるので、重野展のあとにぶらぶらするのがオススメ! そこはデパート内なので、銀座の老舗画廊みたいに敷居高くなくて気楽に見て回れます。




或る未亡人の版画コレクション 版画家生活二十周年記念 重野克明新作展
11月1日(水)~20日(月)
@日本橋高島屋S.C. 本館6階 美術画廊X 
https://takashimaya.co.jp/nihombashi/departmentstore/topics/1_2_20230922111557/?category=art#contents

重野克明:https://instagram.com/shigeno31/

トークセッション:

版画モラトリアル~たとえばそれは叶う事はないだろう明るい希望~
中村ケンゴ(美術家)x重野克明
11月4日(土)午後3時~
入場無料


  • TOP
  • 編集後記

AFTER HOURS BACKNUMBERS
編集後記バックナンバー

FACEBOOK

BOOKS

ROADSIDE LIBRARY
天野裕氏 写真集『わたしたちがいたところ』
(PDFフォーマット)

ロードサイダーズではおなじみの写真家・天野裕氏による初の電子書籍。というか印刷版を含めて初めて一般に販売される作品集です。

本書は、定価10万円(税込み11万円)というかなり高価な一冊です。そして『わたしたちがいたところ』は完成された書籍ではなく、開かれた電子書籍です。購入していただいたあと、いまも旅を続けながら写真を撮り続ける天野裕氏のもとに新作が貯まった時点で、それを「2024年度の追加作品集」のようなかたちで、ご指定のメールアドレスまで送らせていただきます。

旅するごとに、だれかと出会いシャッターを押すごとに、読者のみなさんと一緒に拡がりつづける時間と空間の痕跡、残香、傷痕……そんなふうに『わたしたちがいたところ』とお付き合いいただけたらと願っています。

特設販売サイトへ


ROADSIDE LIBRARY vol.006
BED SIDE MUSIC――めくるめくお色気レコジャケ宇宙(PDFフォーマット)

稀代のレコード・コレクターでもある山口‘Gucci’佳宏氏が長年収集してきた、「お色気たっぷりのレコードジャケットに収められた和製インストルメンタル・ミュージック」という、キワモノ中のキワモノ・コレクション。

1960年代から70年代初期にかけて各レコード会社から無数にリリースされ、いつのまにか跡形もなく消えてしまった、「夜のムードを高める」ためのインスト・レコードという音楽ジャンルがあった。アルバム、シングル盤あわせて855枚! その表ジャケットはもちろん、裏ジャケ、表裏見開き(けっこうダブルジャケット仕様が多かった)、さらには歌詞・解説カードにオマケポスターまで、とにかくあるものすべてを撮影。画像数2660カットという、印刷本ではぜったいに不可能なコンプリート・アーカイブです!

SHOPコーナーへ


ROADSIDE LIBRARY vol.005
渋谷残酷劇場(PDFフォーマット)

プロのアーティストではなく、シロウトの手になる、だからこそ純粋な思いがこめられた血みどろの彫刻群。

これまでのロードサイド・ライブラリーと同じくPDF形式で全289ページ(833MB)。展覧会ではコラージュした壁画として展示した、もとの写真280点以上を高解像度で収録。もちろんコピープロテクトなし! そして同じく会場で常時上映中の日本、台湾、タイの動画3本も完全収録しています。DVD-R版については、最近ではもはや家にDVDスロットつきのパソコンがない!というかたもいらっしゃると思うので、パッケージ内には全内容をダウンロードできるQRコードも入れてます。

SHOPコーナーへ


ROADSIDE LIBRARY vol.004
TOKYO STYLE(PDFフォーマット)

書籍版では掲載できなかった別カットもほとんどすべて収録してあるので、これは我が家のフィルム収納箱そのものと言ってもいい

電子書籍版『TOKYO STYLE』の最大の特徴は「拡大」にある。キーボードで、あるいは指先でズームアップしてもらえれば、机の上のカセットテープの曲目リストや、本棚に詰め込まれた本の題名もかなりの確度で読み取ることができる。他人の生活を覗き見する楽しみが『TOKYO STYLE』の本質だとすれば、電書版の「拡大」とはその密やかな楽しみを倍加させる「覗き込み」の快感なのだ――どんなに高価で精巧な印刷でも、本のかたちではけっして得ることのできない。

SHOPコーナーへ


ROADSIDE LIBRARY vol.003
おんなのアルバム キャバレー・ベラミの踊り子たち(PDFフォーマット)

伝説のグランドキャバレー・ベラミ・・・そのステージを飾った踊り子、芸人たちの写真コレクション・アルバムがついに完成!

かつて日本一の石炭積み出し港だった北九州市若松で、華やかな夜を演出したグランドキャバレー・ベラミ。元従業員寮から発掘された営業用写真、およそ1400枚をすべて高解像度スキャンして掲載しました。データサイズ・約2ギガバイト! メガ・ボリュームのダウンロード版/USB版デジタル写真集です。
ベラミ30年間の歴史をたどる調査資料も完全掲載。さらに写真と共に発掘された当時の8ミリ映像が、動画ファイルとしてご覧いただけます。昭和のキャバレー世界をビジュアルで体感できる、これ以上の画像資料はどこにもないはず! マンボ、ジャズ、ボサノバ、サイケデリック・ロック・・・お好きな音楽をBGMに流しながら、たっぷりお楽しみください。

SHOPコーナーへ


ROADSIDE LIBRARY vol.002
LOVE HOTEL(PDFフォーマット)

――ラブホの夢は夜ひらく

新風営法などでいま絶滅の危機に瀕しつつある、遊びごころあふれるラブホテルのインテリアを探し歩き、関東・関西エリア全28軒で撮影した73室! これは「エロの昭和スタイル」だ。もはや存在しないホテル、部屋も数多く収められた貴重なデザイン遺産資料。『秘宝館』と同じく、書籍版よりも大幅にカット数を増やし、オリジナルのフィルム版をデジタル・リマスターした高解像度データで、ディテールの拡大もお楽しみください。
円形ベッド、鏡張りの壁や天井、虹色のシャギー・カーペット・・・日本人の血と吐息を桃色に染めあげる、禁断のインテリアデザイン・エレメントのほとんどすべてが、ここにある!

SHOPコーナーへ


ROADSIDE LIBRARY vol.001
秘宝館(PDFフォーマット)

――秘宝よ永遠に

1993年から2015年まで、20年間以上にわたって取材してきた秘宝館。北海道から九州嬉野まで11館の写真を網羅し、書籍版では未収録のカットを大幅に加えた全777ページ、オールカラーの巨大画像資料集。
すべてのカットが拡大に耐えられるよう、777ページページで全1.8ギガのメガ・サイズ電書! 通常の電子書籍よりもはるかに高解像度のデータで、気になるディテールもクローズアップ可能です。
1990年代の撮影はフィルムだったため、今回は掲載するすべてのカットをスキャンし直した「オリジナルからのデジタル・リマスター」。これより詳しい秘宝館の本は存在しません!

SHOPコーナーへ


捨てられないTシャツ

70枚のTシャツと、70とおりの物語。
あなたにも〈捨てられないTシャツ〉ありませんか? あるある! と思い浮かんだあなたも、あるかなあと思ったあなたにも読んでほしい。読めば誰もが心に思い当たる「なんだか捨てられないTシャツ」を70枚集めました。そのTシャツと写真に持ち主のエピソードを添えた、今一番おシャレでイケてる(?)“Tシャツ・カタログ"であるとともに、Tシャツという現代の〈戦闘服〉をめぐる“ファッション・ノンフィクション"でもある最強の1冊。 70名それぞれのTシャツにまつわるエピソードは、時に爆笑あり、涙あり、ものすんごーい共感あり……読み出したら止まらない面白さです。

amazonジャパン


圏外編集者

編集に「術」なんてない。
珍スポット、独居老人、地方発ヒップホップ、路傍の現代詩、カラオケスナック……。ほかのメディアとはまったく違う視点から、「なんだかわからないけど、気になってしょうがないもの」を追い続ける都築響一が、なぜ、どうやって取材し、本を作ってきたのか。人の忠告なんて聞かず、自分の好奇心だけで道なき道を歩んできた編集者の言葉。
多数決で負ける子たちが、「オトナ」になれないオトナたちが、周回遅れのトップランナーたちが、僕に本をつくらせる。
編集を入り口に、「新しいことをしたい」すべてのひとの心を撃つ一冊。

amazonジャパン


ROADSIDE BOOKS
書評2006-2014

こころがかゆいときに読んでください
「書評2006-2014」というサブタイトルのとおり、これは僕にとって『だれも買わない本は、だれかが買わなきゃならないんだ』(2008年)に続く、2冊めの書評集。ほぼ80冊分の書評というか、リポートが収められていて、巻末にはこれまで出してきた自分の本の(編集を担当した作品集などは除く)、ごく短い解題もつけてみた。
このなかの1冊でも2冊でも、みなさんの「こころの奥のかゆみ」をスッとさせてくれたら本望である。

amazonジャパン


独居老人スタイル

あえて独居老人でいること。それは老いていくこの国で生きのびるための、きわめて有効なスタイルかもしれない。16人の魅力的な独居老人たちを取材・紹介する。
たとえば20代の読者にとって、50年後の人生は想像しにくいかもしれないけれど、あるのかないのかわからない「老後」のために、いまやりたいことを我慢するほどバカらしいことはない――「年取った若者たち」から、そういうスピリットのカケラだけでも受け取ってもらえたら、なによりうれしい。

amazonジャパン


ヒップホップの詩人たち

いちばん刺激的な音楽は路上に落ちている――。
咆哮する現代詩人の肖像。その音楽はストリートに生まれ、東京のメディアを遠く離れた場所から、先鋭的で豊かな世界を作り続けている。さあ出かけよう、日常を抜け出して、魂の叫びに耳を澄ませて――。パイオニアからアンダーグラウンド、気鋭の若手まで、ロングインタビュー&多数のリリックを収録。孤高の言葉を刻むラッパー15人のすべて。

amazonジャパン


東京右半分

2012年、東京右傾化宣言!
この都市の、クリエイティブなパワー・バランスは、いま確実に東=右半分に移動しつつある。右曲がりの東京見聞録!
576ページ、図版点数1300点、取材箇所108ヶ所!

amazonジャパン


東京スナック飲みある記
ママさんボトル入ります!

東京がひとつの宇宙だとすれば、スナック街はひとつの銀河系だ。
酒がこぼれ、歌が流れ、今夜もたくさんの人生がはじけるだろう、場末のミルキーウェイ。 東京23区に、23のスナック街を見つけて飲み歩く旅。 チドリ足でお付き合いください!

amazonジャパン